会計基準を学ぼう1〜包括利益

時価会計を学ぼうと思いました。それには会計基準について学ばなければならないと思いました。よって会計基準を学ぶシリーズです。

損益計算書は、基本的に会社の資本の増減の明細書であると言えます。それならば、バランスシートの資本の部の2期間の差額と、損益計算書の純利益は等しくなるはずです。が、実際はそうはなりません。純利益には株価の値上がりなどによる含み損益や株主からの増資が反映されていませんが、バランスシートの資本の部にはそれらが反映されているからです。そこで、これらの損益計算書に載らない損益を加味して利益を表現したものが、包括利益です。

包括利益

会計上の純利益に、土地や有価証券などの未実現利益のうち、純利益に反映されていないものを加算した利益。
たとえば、保有している株の値上がりによる含み益は、バランスシートにはのるが損益計算書の純利益にはのらない。そのため、純利益が低い企業が期末前に資産を売却し、利益をかさ上げすることもある。
包括利益を導入すれば、保有していても売却していても利益が変わらないので利益操作の余地がなくなり、企業実態の透明性が高まる。ただし、本業のもうけがわかりにくくなる。